《松浦鉄道》駅ノートがひとりの命を救った?平戸の人情話に思わずホロリ【女子鉄ひとりたび】23番線
すべての鉄道を乗りつぶした唯一の女性芸能人が行く、西九州の旅3回目
■駅長と駅ノートで交換日記ができる駅?
駅ノートの扱いもすごかった。自由気ままに書く足跡帳ともいえる駅ノートは、全国のローカル駅ではお馴染みだけど、それは一方通行がお決まり。でもここは、書き込んだ内容に、駅長さんが赤ペンでお返事をしてくれる。もう驚くしかない。
主に地元高校生が書くそうで、なかには恋の悩みなんてのもあって、交換日記のように使われていた。学校をサボる子供たちを立ち直らせたことや、旅行客の自殺を思い止まらせたこともあったという。
もう何冊目になるか分からないが、この駅ノートには語り尽くせないほどの「人生劇場」が集約されているのだろう。
駅舎内には鉄道資料館があり、国鉄時代の駅名標、JR松浦線のさようならヘッドマーク、車両の部品やタブレット閉塞器などが、所狭しと展示されている。ここで硬券入場券と「日本最西端の駅訪問証明書」を購入した。
ふと本棚に目を向けると『ダイヤに輝く鉄おとめ』(矢野直美著/2010年刊/JTBパブリッシング)の本があった。
これは、全国の鉄道に携わる女性社員50人を紹介するもので、実は私も取材を受けて、この本の表紙に載せてもらっていた。
普段は乗り鉄先で名乗ることはほとんどないが、思わず自己紹介をしてしまった。すると大石駅長は、
「ああ、やっぱり! 似てるなぁ? と思っていたんですよ」と、私のことを知っていてくれた。
「実はこれ、私も取材を受ける予定だったの。でも取材日に急用が入って行けなくて……。一生に一度、あるかないかのことだし、本に載りたかったなぁ?!」
と言うので、
「わかりました! いつになるかはわかりませんが、必ず私が大石さんをなにかの本に写真付きでご紹介します!」と約束した。
その約束が、いま本書で(WEBでも)果たせることになったのである。大石さん、その節はたくさんの温かいおもてなしをありがとうございました!
(24番線へ続く)
- 1
- 2
KEYWORDS:
■松浦鉄道たびら平戸口駅で「女子鉄ひとりたび」絶賛発売中!
松浦鉄道さんのご厚意により、裕子の本を置かせてもらいました!
特別な特典はございませんが、旅の記念に、お土産に、もし見かけたら買ってくださいね。
■な、なんとこの夏も、水間鉄道に「女子鉄ひとりたび」ヘッドマーク電車が走った!
掲出日程:2020年8月11日~8月20日(10日間)
掲出車両:1003(青ライン/貝塚駅側)
走行日:8月11、12、13、16、17日